石川慶子 Keiko Ishikawa バイレ/ソロ部門「シギリージャ」 ウェブサイト https://www.keiko-flamenco.jp/ Comment受賞者コメント 早稲田大学のサークルでフラメンコを始めた14年前から、新人公演は私の憧れでした。また、それはいつか絶対に乗り越えなければならない壁、 恐怖でもありました。そこに初めて挑戦できたというだけで自分には凄いことなのに、奨励賞までいただき、まだ信じられない気持ちです。 昨年の地震のとき、私はセビージャにいました。宮城の高校で教鞭をとっていた時の生徒や、フラメンコ仲間が心配でも、何もできないもどかしい気持ち。 それを救ってくれたのがセビージャの人々でした。彼らは「僕たちでできることなら」といって、たくさんのボランティア活動をしてくれました。 その中の一つ、アラメダ劇場での日本支援公演。恩師であるアデラ・カンパージョや、大好きなエスペランサ・フェルナンデス、ペドロ・シエラらが 日本のためにアルテを見せてくれている。その舞台の一員として被災地のために踊れる幸せ、遠いスペインの地の人々が日本を思って寄付してくれる幸せ。 フラメンコをやっていて、本当によかったと思いました。私が踊ったところで世界は変えられないけれど、私がフラメンコを愛し続け、 踊っていくことが何かの役に立つのなら、私の周りの人が少しでも喜んでくれるなら、これからも全力を尽くして踊っていきたい。 この賞が私をいつも支えてくれる人々への恩返しとなれば嬉しいです。新人公演当日「慶子、ネルビオ(緊張)と踊るつもりなの? ぼくたちと踊るんじゃないの?」と言ってくれた、フアン、マヌエル、フアン・ホセ、私のフラメンコ家族になってくれてありがとう。 また、家族、生徒、友達、フラメンコ仲間、マンサニージャの皆様、今まで見聞きした全てのアルティスタ、そして「フラメンコ」、本当にありがとう。 フラメンコと向き合い、自分と向き合い、純粋になろうとすればするほど、自分の黒さが見えてきます。臭さといってもいい。 重さでもいい。それを外に出して、もう一度体に入れようとすると、手が痺れたようになるもの。頭にへたがあるとしたら、 それがもぎ取られて出てくる、動物としての「生きる黒さ」みたいなもの。それは白でも黒でも、本当はどちらでも良くて、 ただそれを逃げずに受け入れ、嘘のないように、誤魔化さないように踊っていかなければいけない。 そして、ある一瞬引きずりだされるフラメンコの何か、泣けてoleも言えないその何かを、いつか自分も掴んでみたい。
Comment受賞者コメント
早稲田大学のサークルでフラメンコを始めた14年前から、新人公演は私の憧れでした。また、それはいつか絶対に乗り越えなければならない壁、 恐怖でもありました。そこに初めて挑戦できたというだけで自分には凄いことなのに、奨励賞までいただき、まだ信じられない気持ちです。
昨年の地震のとき、私はセビージャにいました。宮城の高校で教鞭をとっていた時の生徒や、フラメンコ仲間が心配でも、何もできないもどかしい気持ち。 それを救ってくれたのがセビージャの人々でした。彼らは「僕たちでできることなら」といって、たくさんのボランティア活動をしてくれました。
その中の一つ、アラメダ劇場での日本支援公演。恩師であるアデラ・カンパージョや、大好きなエスペランサ・フェルナンデス、ペドロ・シエラらが 日本のためにアルテを見せてくれている。その舞台の一員として被災地のために踊れる幸せ、遠いスペインの地の人々が日本を思って寄付してくれる幸せ。 フラメンコをやっていて、本当によかったと思いました。私が踊ったところで世界は変えられないけれど、私がフラメンコを愛し続け、 踊っていくことが何かの役に立つのなら、私の周りの人が少しでも喜んでくれるなら、これからも全力を尽くして踊っていきたい。
この賞が私をいつも支えてくれる人々への恩返しとなれば嬉しいです。新人公演当日「慶子、ネルビオ(緊張)と踊るつもりなの? ぼくたちと踊るんじゃないの?」と言ってくれた、フアン、マヌエル、フアン・ホセ、私のフラメンコ家族になってくれてありがとう。 また、家族、生徒、友達、フラメンコ仲間、マンサニージャの皆様、今まで見聞きした全てのアルティスタ、そして「フラメンコ」、本当にありがとう。
フラメンコと向き合い、自分と向き合い、純粋になろうとすればするほど、自分の黒さが見えてきます。臭さといってもいい。 重さでもいい。それを外に出して、もう一度体に入れようとすると、手が痺れたようになるもの。頭にへたがあるとしたら、 それがもぎ取られて出てくる、動物としての「生きる黒さ」みたいなもの。それは白でも黒でも、本当はどちらでも良くて、 ただそれを逃げずに受け入れ、嘘のないように、誤魔化さないように踊っていかなければいけない。 そして、ある一瞬引きずりだされるフラメンコの何か、泣けてoleも言えないその何かを、いつか自分も掴んでみたい。